プロローグ
平方根
√(ルート)を使ってあらわす数を、その数の平方根と呼びます。
平方とは同じ数同士を掛け合わせると言う意味で、平方根とはその掛け合わせる前の数字の事を意味します。
したがって、2を平方すると4なので、4の平方根は2のような言い方をします。これを先ほどの√記号を使って表すと、\(\sqrt{4}=2\)となるわけですね。
辺の長さが全て等しくなる正方形で考えてみると分かりやすいかもしれません。
図のように描くと、面積が\(1\mathrm{cm}^2\)の正方形の辺の長さは\(\sqrt{1}\mathrm{cm}\)、\(2\mathrm{cm}^2\)の正方形の辺の長さは\(\sqrt{2}\mathrm{cm}\)・・・となります。
実際に方眼用紙に描いてみて線の長さを定規で測ってみると大体の長さを知ることができ、その数値を平方すればおおよそ近い数字になります。
例えば面積が\(2\mathrm{cm}^2\)の正方形で1辺の長さが\(\sqrt{2}\mathrm{cm}\)の場合、定規で測ると約\(1.41\mathrm{cm}\)となり、その1.41を掛け合わせると1.9881となるため、ほとんど2に近い数値になります。
ここで、注意したい事がマイナス同士の掛け算です。
\((-2)\times(-2)\)も4となるので、4の平方根は\(\pm2\)が正しい答えですね。
以前、\(\sqrt{2}\)は無理数で、分数では表せない事を説明しましたが、全ての平方根が無理数ではありません。
\(\sqrt{4}\)や、\(\sqrt{9}\)のように整数になる事もあります。
ただし、平方根には圧倒的に無理数になる事が多く、\(\sqrt{3}≒1.7320\)や\(\sqrt{5}≒2.2362\)、\(\sqrt{6}≒2.4494\)など永遠に小数が続く場合がほとんどです。
その時に√の記号を使って表し方をスッキリさせているわけですね。
有理化
平方根の計算をするときには有理化することが必要になります。
無理数が分母に入った分数同士を足し引きする際はまず有理化をしてから通分を行います。
有理化自体は、平方根を平方すると√の中の数字になる事を使えばそんなに難しくありません。
以下の例えで見てみましょう。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{\sqrt{2}} + \frac{1}{4} &=& \frac{1}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}+\frac{1}{4} \\
&=& \frac{\sqrt{2}}{2}+\frac{1}{4} \\
&=& \frac{2\times\sqrt{2}}{2\times2}+\frac{1}{4} \\
&=& \frac{2\sqrt{2}+1}{4}
\end{eqnarray}
といった具合に変形できます。
有理化をするときに\(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}\)を掛け算していますが、掛ける数は分子分母共に\(\sqrt{2}\)であり、これは1を意味しています。
ある数に1をかけても数字は変わらないことから、分母だけが2(整数)となり、分子に√を移すことができるわけですね。